緑の回廊

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ホロカトマム山林と、その周囲の国有林はどちらとも北海道知事により保安林として認可指定されております。特に水源かん養保安林に分類され、一級河川鵡川源流保護としての意味合いがあると思われます。しかしながら、上記地図白い部分にあたる河川敷、河畔林は村有地になっており、この村所有の村有林は保安林になっておりません。  

2010年、占冠村へ村有地の購買の申し込みをいたしました。この村有地はホロカトマム山林と国有林の間にある土地で、この保護区の西側の小川の川沿いにあります(赤い矢印の領域にあたります)。標高が低く湿地が主で、経済林としては不適切な条件と思われ、そして、サイズも小さい(合わせて2.5ha) のですが、長い間撹乱されていない天然自然林が残る美しい場所です。レッドリスト掲載の種(ホロカトマムに棲むコウモリ調査 2012 ご参照)も含め、野生動物に住処になっています。2012年現在、保護区の一部に上述の土地を含めたいという希望は変わりません。

 

土地を保安することにより緑の回廊が確保され、保護区と国有林が連続性のある森林になり、野生動物の動きが妨げられたり、孤立したりすることがなくなり、過密状態を避け、生物多様性を助けることができます。

 

緑の回廊についての政策は生物多様性国家戦略に記載があり「生物多様性などの観点から、保護林や保護林相互を連結してネットワークとする緑の回廊の設定を推進する」と書かれています。大規模な緑の回廊(大雪山国立公園と日高山脈国定公園を結ぶ北海道を縦断する大規模な保護地域作り)も視野に入って来ているだけでなく、国有林と民有林を連結して設定する動きも推進されています。

 

参照 : 生物多様性国家戦略 2010 第1章, 第2節, 6.1, p 99 (日本語)、似通った内容である生物多様性国家戦略 Third National Biodiversity Strategy (2008) は英語での出版あり。オンラインで閲覧可能。

 

SCH/MMF 15 October 2012